Summary

Windows 11 に組み込まれてきた Copilot について、企業が公式に「整理」できる仕組みが提供されました。新たに公開された RemoveMicrosoftCopilotApp ポリシーにより、条件付きで Copilot アプリをアンインストールすることが可能になります。Intune から配布できるため、端末標準化や AI 利用ポリシーの整備、監査対応にも有効です。ネットワーク分離環境など、Copilot を利用できない業務端末においても実務的なメリットがあります。

何が変わった?:Microsoft Copilot削除の“公式スイッチ”が追加

2026年4月のWindows更新以降、IT管理者が Microsoft Copilot アプリを組織端末からアンインストールできる公式ポリシー RemoveMicrosoftCopilotApp が利用可能になりました。
この設定は Group Policy(GPO)Policy CSP(IntuneなどMDM) の両方から使える形で提供されます。

重要:誰でもいつでも消せるわけではない(適用条件あり)

このポリシーは“乱暴に消す”ものではなく、業務影響を避けるための条件付きになっています。
適用(削除)されるのは、少なくとも次の条件を満たす場合です:

  • Microsoft 365 Copilot と Microsoft Copilot の両方がインストールされている
  • Microsoft Copilot がユーザー自身によってインストールされたものではない
  • Microsoft Copilot が過去28日間起動されていない 

つまり、「使っている人のCopilotが突然消える」可能性は低く、“使われていない・ユーザー導入ではない”場合に限って整理される設計です。

また、この削除は 取り返しがつかないものではなく、ユーザー/管理者が再インストール可能とされています。

前提条件:対応OS・更新プログラム

この機能を使うには、端末側の前提が重要です。

  • Windows 11 25H2
  • KB5083769(2026/4/14 公開の累積更新)以降 
  • Pro/Enterprise/Educationなど

まずは「対象端末に KB5083769 が入っているか」を確認してから展開するのが安全です。 

ポリシーの場所(CSPパス)

 

  • ユーザー
    ./User/Vendor/MSFT/Policy/Config/WindowsAI/RemoveMicrosoftCopilotApp
  • デバイス
    ./Device/Vendor/MSFT/Policy/Config/WindowsAI/RemoveMicrosoftCopilotApp

 

Intuneでの設定方法

Intune設定画面例

 

  1. Intune 管理センターデバイス
  2. Windows構成 → ポリシーの作成
  3. プラットフォーム: Windows 10 以降
  4. プロファイルの種類: 設定カタログ
  5. 名前(ポリシー名を設定して次へ)
  6. 構成設定で「設定の追加」: Windows AIRemoveMicrosoftCopilotApp 

まとめ

今回の RemoveMicrosoftCopilotApp は、単なる「Microsoft Copilot を無効化する」設定ではなく、条件付きで Microsoft Copilot アプリそのものをアンインストールできる公式手段が提供された点が大きな進展です。
従来のレジストリ制御や非公式なブロック方法と異なり、Microsoft が想定した形で、業務影響を最小限に抑えながら整理できるようになりました。

また、このポリシーは Microsoft Intune から配布可能なため、

  • 端末標準構成(ベースライン)の統一
  • AI 利用ポリシーの整理・段階展開
  • 「なぜ残すのか/なぜ消すのか」を含めた監査・説明対応

といった運用にも繋げやすいのが特徴です。

さらに、ネットワーク分離環境やインターネット接続を前提としない業務端末など、Microsoft Copilot をそもそも利用できない環境においても、不要なアプリを整理できる点は実務上大きなメリットです。
「使えない機能が入っている状態」を是正できるため、ユーザーの混乱防止や問い合わせ削減にも効果が期待できます。

Microsoft Copilot を「全面的に使う/全面的に禁止する」という二択ではなく、組織の環境・成熟度・ガバナンス方針に合わせて、AI の入口を整理・制御できる段階に入ったと言えるでしょう。

著者紹介
山田幸志
山田幸志

MS365認定アドミニストレーターエキスパート、情報処理安全確保支援士。
Microsoft 365を中心としたクラウド、セキュリティ、インフラ領域を専門とするITエンジニア。
でも得意分野はLinux/仮想化。

日本最古のUNIXコミュニティの幹事や、日本最大のネットワークオペレーター会議の実行委員長、セキュリティイベントやGadgetイベント発起人など、数多くの技術コミュニティの運営に携わる。コミュニティ活動を通じて幅広い知見と実践的なスキルを磨き、現場で得た経験や技術情報を発信している。

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